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人材確保がうまくいく10のコツ その1「給与面以外で自社の良い所を三つあげられるようにする」

シリーズ「人材確保がうまくいく10のコツ」、第1回は…

tips.01 給与面以外で自社の良い所を三つあげられるようにする

「給与面以外で、あなたの会社の良い所を三つあげるとすれば何ですか?」。
そう聞かれて、スムーズに出てくる人はどれくらいいるでしょうか。これは普段から意識しておかないと、パッと言える人はあまりいないように思います。自分たちが扱う商品やサービスの特長は結構スラスラ言えるのに、不思議ですよね。でも、これができないと、応募希望者に自社の魅力を売り込むことができないということになります。

▼自社のウリを見つけるために

自社の良い所がスムーズにあげられない場合は、言い方は悪いかもしれませんが「とってつけ」でもいいので、最低三つは考えておきましょう。商品開発も、そんなものだと思います。この商品は他社と差がつくようなウリがない…だったらあの機能をつけようか、こんなサービスをつけたらどうだろうかと。自社のウリも、ある意味「とってつけ」るのです。もちろん、実態が伴っていないものをとってつけるのはだめですが、魅力を無理やりにでも探して、ウリを見つけておくのです。その見つけ方にもポイントがあるので、以下にご紹介します。

▼マズローの「要求ピラミッド」

アメリカの心理学者・マズローが唱える「欲求のピラミッド(欲求の五段階説)」が、参考になります。人間の欲求は、五段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求になるほど、本能的に強く求めます。低階層の欲求が満たされて初めて、より高階層の欲求を欲するとされます。次の図をご覧ください。

この図を見ると、最も低階層で大きなウエイトを占めているのは、「生理的欲求」です。これを会社に置き換えると、労働者にとって「給与」にあたります。最近の病院・歯科医院の求人広告は、これを前面に押し出しているものが多く、お金に釣られる人を自ら集めているようにも見えてしまいます。
次に大きなウエイトを占めているのは、下から二番目の「安全欲求」です。これは、労働者にとって「福利厚生」にあたります。シフトの融通や育児休暇などがそうですね。この層辺りから、対応ができていない(ウリにすることができない)会社が徐々に増えてきます。
そして、この「生理的欲求」と「安全欲求」の二つを合わせて、「物理的欲求」といいます。「物理的欲求」は必須条件となるので、これが欠けていると、残念ながら人材を他社にとられてしまうことになります。
次に、高階層の三つである「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」を合わせて、「精神的欲求」といいます。実は、会社組織にとって良い人材というのは、「社会的欲求」「承認欲求」で動く人材のことです。この人材を集めるようアプローチをすることが、強い組織をつくることになります。
それにも関わらず、多くの組織は、一部の自己実現欲求が高い人(経営者や管理者)が、高い理想を掲げて、「生理的欲求」や「安全欲求」で動く人たちを束ねていることが多いです。そうしているうちに、その人たちが集団でクレームを言ってきたり、仲間外れなどの内部トラブルを起こしたりと、思いもよらぬ行動にでることがあります。最後は、集団で退職や独立をされるなどの事態にもなりかねません。介護施設などで、よく目にする光景です。

▼自社の長所3つをあげるためのポイント

ここまでお話したことを踏まえて、自社の良い所を三つあげてみましょう。ポイントは、物理的欲求を満たしたうえで、社会的欲求と承認欲求を刺激することです。このとき、難しい経営理念などは役に立たないことが多いです。わかりにくく、応募希望者の心に響かないからです。「御社の経営理念に共感しました」というのは、就活生が大学側から指導されて言うセリフです。それよりも、わかりやすくて何かワクワクするような、自社の魅力を発見して伝えられるように準備しましょう!

著者プロフィール

小串 拓由(おぐし たくよし)

1981年大阪府生まれ。三重県在住。
医業経営コンサルタント、国家資格キャリアコンサルタント。「くらし専科株式会社」代表取締役。
会社員時代に自身が転勤先の見知らぬ土地でクリニック選びに困った経験をきっかけに、脱サラ・独立後、医療介護情報のフリーマガジン「メディサポ」を発刊。地域住民と医療・介護業界の橋渡し役となることを決意する。
診察券のオンライン販売サイト「診察券.biz」などを運営する傍ら、クリニックの経営や人材確保や、スタッフ教育などの問題に取り組む。

著者プロフィール

小串 拓由(おぐし たくよし)

1981年大阪府生まれ。三重県在住。
医業経営コンサルタント、国家資格キャリアコンサルタント。「くらし専科株式会社」代表取締役。
会社員時代に自身が転勤先の見知らぬ土地でクリニック選びに困った経験をきっかけに、脱サラ・独立後、医療介護情報のフリーマガジン「メディサポ」を発刊。地域住民と医療・介護業界の橋渡し役となることを決意する。
診察券のオンライン販売サイト「診察券.biz」などを運営する傍ら、クリニックの経営や人材確保や、スタッフ教育などの問題に取り組む。

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