会社を辞める人というのは、「立つ鳥跡を濁さず」の精神からか、本当の退職理由を言う人は少ないものです。また会社側も、本当の退職理由を確認しているケースは、ほとんどないのではないでしょうか。「去る者は追わず」がかっこいい、というポリシーをお持ちの方もいると思います。
でも、ちょっと待ってください。退職を決意した職員こそが、宝の山なんです。深堀りしてみると、もう辞めるのでということで、いろいろ教えてくれる人もいます。その人から聞き出したあれやこれやが、職場改善、ひいては採用活動の改善、効果アップへの貴重な材料となるのです。
退職理由の本音とタテマエ
前述したように、本当の退職理由を言う人は少ないです。その理由は、「辞める一カ月前に退職の意思を告げる」というルールにあります。誰だって、残りの期間はできるだけ穏便に、気持ちよく働きたいもの。だからこそ、本音を隠しておきたいのです。
辞める意思を告げられた一カ月前だけでなく、退職日当日に、もう一度本当の理由を聞いてみてもいいかもしれません。
本音の退職理由から、採用力を強化する!
多くの経営者や管理者が、採用力を強化するときに、最初に手を加えようとするのは給与面です。しかし、意外や意外。退職理由の本音ランキングでも、タテマエランキングでも、給与は真ん中あたりです。給与が直接的な不満となって辞めるというよりも、何か別のことで不満が溜まる→給与も低いから我慢する必要はない、という流れで退職に至っているのではないでしょうか。
ということは、給与のアップを実施するよりも、この本音ランキングの退職理由1位、2位、3位の順に手を加えたほうが、離職率の低下、採用力の強化につながるのではと思えてなりません。
職員のエンゲージメント調査をしよう
クリニックの人員不足でお悩みの皆様に、今すぐにでも行ってほしいことがあります。それは、「職員のエンゲージメント調査」です。エンゲージメント調査とは、「従業員がクリニックへの愛着心や思い入れをどれだけ持っているか」を測る調査です。定型のアンケート(質問項目)もあります。弊社でも、先日スタッフに実施して、思いもよらぬ結果を得たところです。アンケートのフォーマットが必要な方は、遠慮なく弊社にお申し付けください。
「従業員のエンゲージメント調査」を行うことで、自院の魅力の再発見ができたり、弱点の発見にもつながります。「エンゲージメント」という言葉を深く解釈すると、「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係」だそうです。そうなれたら、本当に理想的です! ぜひ、クリニック内のエンゲージメントを高めて、強い組織を作っていかれることを願っています。