前章では、インターネット求人の特性についてご説明しました。本章では、従来の手法である紙媒体の求人広告の特性についてご説明します。
紙媒体の主な特長としては、「比較的低コストである」「各エリアに特化した地域密着の採用ができる」ということがあげられます。
掲載費用は、媒体ごとの設定料金・原稿サイズなどにより大きく異なりますが、だいたい一万円台から出稿できるので、ウェブの求人広告と比べると比較的安価といえるでしょう。
紙媒体の種類について
大きく分けて、「フリーペーパー型」「集合型求人チラシ」「自社求人のみのオリジナル求人チラシ」の三つがあります。
「フリーペーパー型」は、無料/有料の求人誌に求人情報を掲載する方法です。求人誌は駅やコンビニなどに設置しているため、幅広い層にアピールが可能です。
「集合型求人チラシ」「自社求人のみのオリジナル求人チラシ」は、新聞折込みや無料地域情報誌への折込み、ポスティング、DMなどでしょうか。新聞折込みの場合、新聞購読層がターゲットとなり、シニア層や主婦層へのアピールが得意です。無料地域情報誌への折込みは、媒体にもよりますが、主婦などの女性層に効果的で、クーポンなどと合わせた相乗効果で確認してもらいやすいメリットがあります。無料地域情報誌への折込み、ポスティングやDMは、新聞非購読世帯にもアピールできる、郵便ポストへの投函は目立ちやすいなどのメリットがあります。
プッシュ型広告について
ここからは、「費用対効果」に関するお話をしたいと思います。皆様は、「プッシュ型広告」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
プッシュ型広告とは、自分から能動的に商品やサービス(求人)を探していない人に、気づきを与えるために強制的に押し込む=プッシュする広告のことです。広告主が不特定多数の人にプッシュしていくので「攻めの広告」とも呼ばれています。主に、テレビCM・テレアポ・FAX・新聞・雑誌・フリーペーパー・チラシ・看板などがその代表例となるのでしょう。インターネット上では、バナー広告・動画広告・メールマガジンなどがあげられます。
攻めの広告(プッシュ型広告)に対し、待ちの広告として「プル型広告」という言葉があります。プル型広告は、自分から能動的に商品やサービスを探している人が、目的のものを見つけて引っ張り出す=プルするための広告のことです。例としては、検索連動型広告(※1)、SEO対策(※2)がそれにあたります。
ここでは、チラシやフリーペーパーが分類されるプッシュ型広告について、もう少し掘り下げてお話します。
商品・サービスの認知度向上やブランディング、大衆に向けた集客に長けているのが特長です。自分のことをまだ認知してくれていない人に対し、気づきを与えることができます。
不特定多数に配信・投函するがゆえに、無関心層へのアプローチが多くなってしまうこと。そのため広告費だけで見ると、費用対効果の面で割高に感じることも。また、数値の計測ができないので費用対効果が見えにくくなります。
では、プッシュ型広告の効果を最大限に出すには、どうすればいいのでしょうか。ヒントは、今からお話しする「応募の経路」に隠れています。
応募の経路を把握し、紙媒体を効果的に活用しよう
広告の効果を測る主な方法は、応募者本人に「何を見て応募しましたか?」と聞いてみることです。それに対して「御社のサイトを見て」と答えた場合、聞いた人のほとんどは「当社のサイトが目にとまり、応募のきっかけになったんだな」と考えると思います。
しかし、そう単純な話ではありません。多くの場合は、広告媒体(チラシ・ネット・看板など)で貴社の求人を知る → 貴社のサイトを訪れ、求人内容を確認し、比較検討をする→ 最終的に応募する、というような流れをたどっているはずです。そのまま「自社サイトを見てくれたんだ」と受け取ってはいけません。
重要なことは、応募の経路の初めから終わりまでを把握し、その過程の中で、「どうすればライバル社よりも自社に応募してもらえるか」を深く考えることです! 応募の経路を把握したら、紙媒体やプッシュ型広告をうまく活用して、求職者の目にとまるように工夫を凝らしましょう!